2007年6月19日

音の資料として

【上】ノイバウテンによるミュラーのテクスト「Die Hamltmaschine(ハムレットマシーン)」の実況録音盤。ハムレット"だった"男を演じるのはブリクサ・バーゲルドその人。全編語りが中心の内容だが、瞼を閉じて場面を想像しながら聴き入りたい。

【下】2007年06月11日に放たれたばかりのノルウェー の新星ElegiことTommy Jansenのデビュー盤「SISTETEREIS」。
間断なく降り注ぐフィールドレコーディングを巧みに使用し、コントラバスやアコーディオンで奏でられる通奏低音は静まりかえる海を想起させ、ヴィオラのピチカートやピアノの切れ端が軋みを産み、不慮の事態を掻き立てる。併置された音の跳ね返りをもって逆に馥郁たる香気を放つかのごとく沈んでいく世界。そこに月灯りが差し込む(No.6「Interbellum」)のも束の間、また沈む。港を求めて。港を求めて。やはり沈むのである。
こちらから試聴できます