2007年6月22日

音、そして映像の資料として

吉祥寺の中古ディスク屋にて。

CD「SPLAY」ジム・ブラック
基本をしっかりと押さえた構成。空間を無駄に支配させる事無く、砂嵐その粒一つ一つまでもを“大切に”まき散らす。しかしそんな振る舞いを見せる中でも用意周到なワルガキ然とする所作が好感を煽る。
また全体的にクラリネットの使い方が特徴的で、本作ではガナり立てるギターの横で重層的に膨らむクラリネットが絡む「Myndir Now」が特によい。
(※但しジャケットが・・・・私としては残念・・・。)

CD「カニバリズム1&2」カン
ベスト版ではあるが名盤と謳われる「フューチャー・デイズ」から一曲も拝借されていないのが好印象。

CD「Yeti(邦題:地獄)」アモン・デュール2

DVD「middle of the moment」(Nicolas Humbert/Werner Penzel)
シネ・ノマド、2003年の「Step Across the Border」に次ぐDVD化第2弾。監督は同じくニコラス・フンベルト、ヴェルナー・ペンツェル。内容はシネポエムと形容されるスタイルで注釈によると“ノマド=遊牧民をテーマに、南サハラ、フランスの前衛サーカス、ギリシャの島で暮らす孤高の詩人のドキュメントを交錯させた傑作映像詩”
とのこと。これからじっくり鑑賞させて頂きます。

2007年6月19日

音の資料として

【上】ノイバウテンによるミュラーのテクスト「Die Hamltmaschine(ハムレットマシーン)」の実況録音盤。ハムレット"だった"男を演じるのはブリクサ・バーゲルドその人。全編語りが中心の内容だが、瞼を閉じて場面を想像しながら聴き入りたい。

【下】2007年06月11日に放たれたばかりのノルウェー の新星ElegiことTommy Jansenのデビュー盤「SISTETEREIS」。
間断なく降り注ぐフィールドレコーディングを巧みに使用し、コントラバスやアコーディオンで奏でられる通奏低音は静まりかえる海を想起させ、ヴィオラのピチカートやピアノの切れ端が軋みを産み、不慮の事態を掻き立てる。併置された音の跳ね返りをもって逆に馥郁たる香気を放つかのごとく沈んでいく世界。そこに月灯りが差し込む(No.6「Interbellum」)のも束の間、また沈む。港を求めて。港を求めて。やはり沈むのである。
こちらから試聴できます